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RESEARCH:COVID19パンデミック下での高齢者の活動低下に関する論文をJAMDAに発表しました

2020/08/04 IoTを活用した介護予防プロジェクト お知らせ 研究実績

Changes in older people’s activities during the Covid-19 pandemic in Japan.

Yukari Yamada, Tomoe Uchida, Mari Ogino, Tatsuyoshi Ikenoue, Takayuki Shiose, Shingo Fukuma

JAMDA 2020 in press

https://www.jamda.com/article/S1525-8610(20)30664-2/fulltext?rss=yes

@JAMDAcom #Geriatrics #COVID19 #PhysicalFunction

Covid19パンデミックによって日本でも自粛要請、非常事態宣言が発せられました。本来は、人とのつながりや、外出が健康維持に重要であると考えられていた高齢者にとって、従来とは異なる行動推奨メッセージが届けられたことになります。

Covid19パンデミック下での若者の行動変化はスマートホン等から得られmobility data によって捉えられましたが、高齢者の行動を捉える仕組みは存在せず、自粛要請や非常事態宣言が高齢者の行動様式に与えた影響は不明でした。

本研究では、Covid19パンデミック以前より町型高齢者入居施設に実装していたIoTシステムを利用して、施設からの自粛要請、政府からの非常事態宣言が高齢者の行動様式変化に与えた影響を分割時系列デザイン(Interrupted time series analysis: ITSA)で可視化しました。

施設からの自粛アナウンスによって公共スペースでの活動時間が12.7%減少し、非常事態宣言によって活動時間が7.8%減少、戸外での活動距離が20.3%減少したことが分かりました。高齢者は一時的な活動低下であっても、身体機能低下や介護利用の増加につながることが心配されます。本研究では、長期化する新型コロナと共存の時代を想定し、高齢者の活動変化と健康アウトカムへの影響を継続的にモニタリングし、健康維持のための介入を設計していきます。

IoTによる暮らしぶりの可視化

本研究では、IoTを高齢者の生活に実装し、暮らしぶりを可視化し、健康維持に役立てるエコシステムを構築しています。町型高齢者入居施設の内部30か所にビーコンスポットを設置し、ビーコンカードによるスポット訪問履歴をサーバー上でデータ化し、行動量と行動範囲を可視化するアルゴリズムを開発しました。

IoTの技術受容において京都大学博物館 塩瀬准教授、生活実装に必要なコミュニケーションデザインにおいて京都市立芸術大学 辰巳教授と共同研究を行っています。

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