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NEWS: 計測自動制御学会 システム・情報部門学術講演会2020で優秀論文賞を受賞しました

2020/12/24 お知らせ

当研究室では、京都大学機械システム創成学研究室(椹木研)と健康医療データを活用したシステムデザインに関する共同研究を行っています。今回、特定保健指導記録のテキスト・データマイニングを行った研究結果を、計測自動制御学会 システム・情報部門学術講演会(SSI2020)でポスター発表し、優秀論文賞を受賞しました。

 

タイトル:特定保健指導記録から健康状態の典型を抽出するための多形式トピックモデル

著者:武田匡生(京都大学)、堀口由貴男(関西大学)、池之上辰義(京都大学)、 山田ゆかり(京都大学)、福間真悟(京都大学)、椹木哲夫(京都大学)、中西弘明(京都大学)

以下、論文概要  (京都大学 機械システム創成学研究室 修士2回生 武田匡生 執筆)

保健指導を評価するためには、どのような内容の指導が行われたかだけではなく、どのような人に行われたかと結びつけて考えることが重要です。本研究では、特定保健指導によって蓄積されたビッグデータから指導対象者の健康状態の典型を抽出するための手法を提案しました。提案した分析モデルは、潜在的ディリクレ配分法(latent Dirichlet allocation; LDA)というテキストマイニングのための確率モデルを拡張したもので、特定保健指導記録に多形式かつ多項目で含まれる指導対象者に関するデータを同時に分析することができます。このモデルを用いることで、典型的な指導対象者の健康状態を抽出し、それらの典型にどのような記録(測定値(数値形式)・問診票(カテゴリ形式)・指導員が記入する生活習慣(テキスト形式))がなされやすいのか分析を行いました。その結果、指導対象者を8種類の典型に分類することができ、これらの典型はどのような測定項目が高く、どのような食習慣や運動習慣を送っているのかなどを統計的に明らかにすることができました。

 

この論文の内容は指導対象者の分析にとどまっていますが、現在はどのような指導が過去に行われどのような効果があったのかについて分析の範囲を広げ研究を進めています。ここでいう指導は、冒頭で述べたように対象者の状態と指導内容の組み合わせとして考える必要がありますので、今回の論文の成果が大きなベースとなっています。私の行っている過去の記録の分析が、保健指導の支援システムなどの未来へつながる研究の足がかりになることを期待しています。

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