国内最大の医療保険者である全国健康保険協会に所属する就労世代1000万人以上のデータを利用し、降圧剤治療中で心血管病(心筋梗塞、脳卒中、心不全、末梢動脈疾患)の低リスク患者において、治療中低血圧が心血管病の新規発生に与える影響を分析しました。
一般的な血圧の治療目標値は130/80mmHg未満とされていますが、血圧を下げすぎた場合のリスクについては十分検討されていませんでした。今回、検討した低リスク患者では、収縮期血圧は110mmHg以下まで下がっても心血管病が増えることはなく、拡張期血圧も60mmHg以上を保てていれば明らかな心血管病の増加とは関連しないことが判明しました。
本研究成果は、2024年2月14日に国際学術誌「Hypertension Research」にオンライン掲載されました。
Low On-Treatment Blood Pressure and Cardiovascular Events in Patients without Elevated Risk: A Nationwide Cohort Study
Yuichiro Mori(森雄一郎), Atsushi Mizuno(水野篤), Shingo Fukuma(福間真悟*)
*責任著者
Hypertension Research DOI:https://doi.org/10.1038/s41440-024-01593-y
https://www.nature.com/articles/s41440-024-01593-y
京都大学プレスリリース