特定保健指導の効果が限定的であるという研究結果[1]をJAMA Internal Medicine誌に発表した後、各方面からご意見を頂いています。国民の健康アウトカム改善という共通のゴールを有していながら、立場によって研究結果への反応が様々である事を感じています。
私達、研究チームとしては、ここで得られた結果を基に、しっかりと前向きな議論につなげたいと考えております。科学の立場で客観的に結果を解釈することが重要です。課題が明らかになることは、改善のための第一歩だと考えます。今回の研究によって制度設計改善のためのポイントが示唆されました。
保健指導の現場でのご努力、成功事例など、私たちも伺っております。今回の結果は、指導現場を否定するようなものではありません。今回の研究では指導内容の違いまで分析出来ておりません。効果の高い指導内容から学ぶこと(deviation analysis)も重要であると考えています。
私達は、これからも、科学的な立場でエビデンスに基づく制度設計の改善に貢献していきたいと考えております。引き続きよろしくお願い致します。
2020年10月9日
福間真悟(京都大学)
飯塚敏晃(東京大学)
津川友介(University of California, Los Angeles)