当研究室では海外公衆衛生大学院に所属する若手研究者が所属し、臨床疫学研究・教育での国際連携を進めています。井上浩輔先生(UCLA PhD candidate) 、森雄一郎先生(Johns Hopkins MPH candidate)の2名が研究室メンバーに加わり、当研究室で行う国内外の大規模データを活用した臨床疫学研究、厚労省事業との連携、海外公衆衛生大学院との連携を進めています。
井上 浩輔 Inoue Kosuke
取り組み:因果推論、機械学習、臨床疫学
国立国際医療研究センター、横浜労災病院勤務を経て、2017年よりUCLA公衆衛生大学院疫学博士課程在籍中。内分泌内科医。
因果推論(原因と結果を考える学問)における方法論の確立、及び生活習慣病領域への応用に取り組んでいます。情報技術が急速に発展し、豊富なデータが得られる現代において、それらの高次元データを適切かつ効率的に扱うスキルが求められています。とりわけ、生活習慣病は食事や運動のみならず、環境・社会経済地位・併存疾患・遺伝子などの様々な因子が複雑に絡み合っているため、従来の統計疫学手法では限界があり、因果推論の枠組みで機械学習を応用することで今までわかっていなかったメカニズムや効果を推定することが可能となります。臨床医学、因果推論、機械学習の知識と経験を生かして、生活習慣病を予防・管理する効果的なアプローチを明らかにし、日本人の健康を維持・向上するための科学的根拠の構築に貢献することを目指しております。
ホームページ:http://labusers.net/~kinoue/
森 雄一郎 Mori Yuichiro
取り組み:医療政策、Noncommunicable diseases (NCDs)
ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院公衆衛生修士課程在学中。循環器内科医。 これまで心血管疾患、とくに狭心症・心筋梗塞の治療に携わってきました。日本人の死因の第2位を占めるこれらの病気はある程度予防可能なものですが、個人の努力で出来ることには限界があります。また、一度発症すると社会に対しても大きな医療負担を生じます。一人ひとりに無理な努力を強いることなく心血管疾病の予防を社会全体でサポートできるような、また、発症してしまった患者さんに対しては逼迫する医療財政の中であっても質の高い治療を提供し続けられるような医療政策アプローチに取り組んでいます。