河本大知 特定講師が研究室のメンバーに加わりました。
「大規模ヘルスデータを活用した次世代型保健事業支援」について株式会社キャンサースキャン(https://cancerscan.jp/)との共同研究を開始しました。未来のヘルスシステムを守るため、疫学、データサイエンス、臨床の知見を融合し、ヘルスデータを活用した保健事業設計支援に取り組みます。
河本大知 特定講師からのメッセージ
数学で博士学位を取得してから、様々な縁が繋がり、企業や大学で「人間を中心とした様々なデバイスや仕組み、環境、繋がり」の分析と(広義)デザイン、時々はフィールドワークの仕事に携わってきました。遅まきながら1年数ヶ月前より研究者となり、アカデミア側からヘルスケア・医療や人を育む仕組みについて研究・社会実装を始めています。
どんな方も老若男女、連続的な状態の変化を経て、現在そして未来の状態に繋がっています。そしてどんな方でも、ご家族ないし何らかの社会コミュニティの中で生活されています。
それらのプロセスを(1)人間の最も根源的である「こころ」の観点、(2)社会システムという大局的観点、の2観点から、サイエンスや疫学、統計学といった手法で捉えることで、現状をより明示的かつ正確に把握し、より大局的に(場合によっては、社会の側から)次に取るべき行動を明らかにできる可能性があります。
一方で健康や病気に対しては元より、ヘルスケアや将来の生活形態についても漠然と不安を抱えておられる方も多いと思います。実際、発症以後元の健康状態に戻ることができない疾患も多く存在しますし、「これが良い」と言われていることを試すことはできるが、それが本当に「いまの状況」に適しているかは分からないことが多いでしょう。社会構造に関しても同じことが言えます。
私は医師ではないので、病院に来られる方々の症状を直接的に緩和したり、寄り添うことはできませんが、医師の方々と協働しながら私たちが研究・社会実装のプロセスを進める中で、前述のような不安を抱えて過ごされている方々にも1人でも多く寄り添うことのできるよう最善を尽くします。
私たちの取り組みが、広く医師から病院、臨床研究、基礎研究、自治体や国への架け橋となることをも期待しています。