ニュース

RESEARCH: 地域救急医療での生血輸血に関する論文をJournal of Trauma and Acute Care Surgeryに発表しました

2020/08/26 お知らせ 研究実績

今回、当研究室の桂(研究協力員:外科・外傷分野)と福間が、15th Academic Surgical Congress (February 4-6, 2020 in Orlando, FL)で口演発表を行った研究を、Journal of Trauma and Acute Care Surgeryに発表しました。

Katsura M, Matsushima K, Kitamura R, Kawasaki K, Takaesu R, Fukuma S, Ie M, Murakami T, Asakura Y, Uehara M, Mototake H. The use of warm fresh whole blood transfusion in the austere setting: A civilian trauma experience. Journal of Trauma and Acute Care Surg. 89(3): e28-e33. 2020.

https://journals.lww.com/jtrauma/Abstract/2020/09000/The_use_of_warm_fresh_whole_blood_transfusion_in.26.aspx

現在、外傷領域では全血輸血療法(whole blood transfusion) が見直されてきており、特にmilitary settingでの使用、およびcivilian settingでのcold-stored whole bloodの使用に関する研究報告が近年増えてきています。しかしながら、今回我々が報告したようなcivilian settingでのwarm fresh whole blood(いわゆる生血輸血)使用に関する報告は、世界的にもありませんでした。

医療資源の限られた離島僻地領域で必要に迫られて行われてきた生血輸血療法について、長年の使用経験から構築した運用システムの安全性と実行可能性を示し、生血早期使用により成分輸血製剤(特に血小板製剤)の使用量を減らせる可能性について論じました。

研究アイデアを頂いた外傷専門家・輸血検査室を含めた臨床現場の皆さま・疫学専門家など様々な方からご協力をいただき、医療現場で悩みながら行っている自分達のpracticeを地方から世界へ発信できたことをとてもうれしく思っております。

ご協力いただきました方々にこの場を借りて感謝申し上げます。

桂 守弘

TOP